不法就労者が増えることは社会にとって好ましいことではなりません。労働省・厚生省が刊行しているRevue Française des Affaires Sociales(1974,“L’intégration des travailleurs
migrants dans la société des pays d’accueil”op.cit;p.204)によると、①職業教育や資格を持たない労働者階級を形成、②労働に見合った賃金が支払われない、③非合法労働者とその家族は子供の教育が疎かになり、学業不振児の温床になることが多い、④社会保障が適用されない、⑤フランス社会への統合が困難になる、⑥不法移民の増加は、合法移民に対する偏見を生み、合法移民にとって労働条件、社会環境上不利になる。また非合法移民の雇用は、合法移民の雇用や労働条件の改善を妨げる要因となります。
外国人労働者のもう1つの問題は、失業問題です。
フランスでは1980年以降外国人の失業率が増加しました。19733年には外国人の失業は全失業数の8,6%にすぎなかったのが、1983年には12,4%、1984年と1985年には11,9%に上昇し、1989年には12,5%になりました。